連載 病院勤務者のためのDPCデータ解析入門(番外編)・3
機能評価係数の分析
本野 勝己
1
,
鈴木 淳
2
1産業医科大学公衆衛生学教室
2北海道厚生農業協同組合連合会
pp.804-809
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210570
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■はじめに
今回は平成29(2017)年5月24日の「中央社会保険医療協議会[中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織(DPC評価分科会).以下,DPC評価分科会]」に提出された「1.DPC対象病院の現況について」の資料から「機能評価係数Ⅱ」の分析方法について解説する.
DPCに参加している医療機関には医療機関別係数が付与されており,DPC点数表の点数に,この医療機関別係数を乗じた点数が請求点数となる.医療機関別係数には現在「基礎係数」「暫定調整係数」「機能評価係数Ⅰ」「機能評価係数Ⅱ」の4種類がある.このうち「機能評価係数Ⅱ」は,現在のところ毎年度見直し改定があり,その他の3種類は診療報酬改定と同時に見直しが行われている.しかしながら,来年度[平成30(2018)年4月]の診療報酬改定時には「暫定調整係数」が廃止され,「機能評価係数Ⅱ」に置き換わることが決まっている.これによって機能評価係数Ⅱの医療機関別係数に占める割合が大きくなることから,診療報酬全体に与える影響も大きくなってくる.また,機能評価係数Ⅱは指数的な意味合いが強いことから,ベンチマーク分析による自院の立ち位置と方向性を確認することができる.
そこで今回は,DPC評価分科会などで公表されている「基礎係数」「暫定調整係数」「機能評価係数Ⅱ」を使ってベンチマーク分析を行う.
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