連載 事例と財務から読み解く 地域に根差した中小病院の経営・2
医療法人社団清和会 笠岡第一病院—地域包括ケア病棟への転換
関 悠希
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1独立行政法人福祉医療機構 経営サポートセンター リサーチグループ リサーチチーム
pp.223-227
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210442
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本連載の目的は,地域のニーズに合わせて優れた経営を行う病院を取り上げ,そのヒントを得ることである.今回は人口約5万人,高齢化率33.3%(2015年4月1日時点)と高齢化が進む岡山県南西部にある笠岡市で,一般病棟10対1と地域包括ケア病棟を保有する医療法人社団清和会笠岡第一病院(以下,同院)を取り上げる(図1).
同院は,1952年に診療所からスタートした.当初は周辺に医療機関がなく,外来診療をしながら往診をし,島しょ部の医療も担っていた.その後も地域の要望に応じて診療科目を増やしていったり,透析センターを設置してきた背景があり,常に地域に密着した医療を行ってきた.
同院では2014年4月に地域包括ケア病棟が新設されてから約半年後に,10対1入院基本料を算定する148床のうち54床を地域包括ケア病棟に転換したが,まだ転換事例も少ない中,同院がスムーズに転換を行えた要因について以下に考察する.
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