発行日 1949年7月1日
Published Date 1949/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210140
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昨年公布の醫療法には病院と診療所とが規定され病院又は醫師が常時3人以上勤務する診療所では藥剤師を置かなければならない(第18條)又調剤所を設けることになってゐる(第21條)この法律上の調剤所が即ち世間一般でいふ病院藥局なるものである。調剤所の定義は法文には示されてないが通念上藥事法或は之に關する通牒による薬局に準ずべき所と解すべきであろう。調剤所は處方戔により薬品を用ひて藥剤を調剤する所と云う意味が立法上の精神とも見えるが果して然らば調剤所の眞の意義換言すると其の實態を知らぬものである。其業務の内容は單一でない。醫療法は各科専門の診療室,手術室,處置室,臨床及檢査施設,暖房施設,細菌及病理施設,研究室,講義室,洗濯施設曰く何何等二十數項の施設を要求してゐるのに調剤所に就ては「調剤所」の三字で片附けたが恐らく内容に全く無智であった故であろう。茲に書く處のものは病院に並置されてある實際上の薬局に關するものである。病院は古くから公私の別なく醫師と薬剤師とが置かれ各々職能に應じ業務を分擔してゐる事は既成の事實で我國は醫學と藥學との二本建教育方針を取った結果であり且つ又學の進歩と共に分科されてるのは當然と云ひ得る。
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