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アメリカ病院藥局インターン調査の斷片
原 祿郞
1
1新潟縣國立村松病院
pp.26-28
発行日 1951年6月1日
Published Date 1951/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200337
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まえがき
終戰後に於ける社會諸制度の民主化は常に吾々に新しい息吹きを感ぜしめずには置かない。醫療法,藥時法,麻藥取締法等加うるに米國藥剤師調査團の勸告は,凡ての面に更に吾々を飛躍せしめる機會を與えたのである。即ち藥科大學の教育内容も亦從來の偏重的教育が改革され藥學教授要目が大體藥學教育委員會に依て協定されたので自然に學科目を實際化する段階に到達したことは教育上の進歩と言わねばなるまい。この學科目の實際化の問題に關聯しインターン制の實施が切に要望される。即ち藥劑師業務に必要な實際的知識,實際的技術の中には講義と試驗だけで教育しても把握出來ないが或る期間の實務經驗に依りいやでも體得出來るものも少くない。學的基礎に立つ藥劑師にしてしかも直に資格に價する業務を行い得る藥劑師の教育を現年限で學校のみに責任を轉化する事は酷な話でありインターン制の協力を待たねば困難である事は論を俟たない。從つて國家試驗のあり方もインターン制を伴わない試驗は不完全極まるものであると言い得る。之は國力に左右され易い問題であるが醫學教育の高水準に比し藥學教育の低水準に我慢する事は不合理な極みである。然して藥劑師の受驗資格にインターン制のない國は少い英國では學校前3ヵ年の藥局見習を要し,佛國では3ヵ年米國では州に依つて異るが2,3ヵ年の見習を要している現状であると言われている。余は茲に米國に於ける病院藥局インターン調査報告の斷片を披瀝して諸氏の參考に供する。
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