発行日 1949年7月1日
Published Date 1949/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210130
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近代
病院はその組織及ぴ機構の上に於て,確乎たる特性をもつように要請されている。一般的に病院とは,患者を診斷治療するために收容設備を有し,最も合理的に患者の健康回復をはかり,生産のために勤勞生活を亨受し得るように高度なる科學的合理約な處遇をなす施設である。それ故にこれを最も抽象約な表現を以てすれば,「最もよい治療と健康回復」を輿えねばならぬ施設と云い得よう。これがためには近代醫學の發逹は病院の特性を病院の組織の點に於ても,機能の點に於ても著しく進歩せしめている。
十数年までは,病院は良い治療施設であることに滿足していたが,今日では,病院の機能は更に擴大されている。醫學的にみても,單に治療技術の向上に止まるのみでなく,豫防醫學的な方法が蒻輿せしめられねばならなくなった。患者に對する看護の問題は,以前よりも更に廣汎な意義をもつようになり,患者に對する衛生教育の實施や病院(醫療)社會事業の活動までが要請せられている。
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