--------------------
東北大學に「病院管理學」講座が誕生することを祝して
Y
pp.3-4
発行日 1952年5月1日
Published Date 1952/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200480
- 有料閲覧
- 文献概要
東北大學醫學部に,昭和27年度から「病院管理學」講座が新設せられることになつた。本誌は創刊以來,病院の發展改善に微力を盡して來たが,厚生省が病院管理研修所を創設して日本の病院の進歩に重大な役割をはたしつゝあることに萬腔の敬意を捧げて來た。然るに愈々大學に於ても此問題も取上げるに至つた事はわが國の病院—醫療に與えるその影響力を想像して快哉を叫ばざるを得ない。而も,此の講座が誕生した經緯を考えるとき,その意義の深いものがあることを感ずる。
從來より,大學病院のあり方については,各方面からいろいろの批判があり,遂に昨春,文部省も大學病院の改善の急務であることを悟り,大學病院改善協議會を發足せしめ,爾來數次の會合による研究の結果,一應大學病院改善要綱なるものを決定發表した事は,既に本誌においても報道した通りである。そしてその内容については,確に從來問題になつていた日本の大學病院の弊風の諸問題を素直に取上げて,その解決策を示したものであつて,委員並に關係者の眞摯な態度については敬意を表すべきものであると信ぜられるが,はたしてその作文通り永年の大學内に横たわる封建的保守性を打破してそれを實行に移せるか何うかについては甚だ疑問視されていた事も事實である。然し乍ら,大學病院に專任院長を置き且つ「病院管理學」講座を擔當させるという。
Copyright © 1952, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.