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病院管理學會の提唱—主張
pp.3
発行日 1951年4月1日
Published Date 1951/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200301
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そもそも,醫とは人を醫することであり,醫學とは醫についての學問である。醫の對象である人とは,生物學的人としてはもちろん,社會の成員たる人としても考えるべきであつて,わが國には往時から醫人に國手なる別稱が用いられたのも同一の意味であると思う。
醫學は,ます個人の治療醫學から出發し,さかのぼつては基礎醫學を生み,進んでは公衆衞生學,あるいは社會醫學に發展した。すなわち,物理,化學,生物學の進歩の基礎醫學を發達させ,社會科學の發達が公衆衞生學,ないし社會醫學を促進せしめた。近代醫學の世界的通念は,醫學の對象を個人の福祉のみでなく,社會の福祉を増進するものまで發展させた。わが國でも,近時公衆衞生學が學として確立し,學會を有し,また終戰後,醫學教育にかならず取入れられるようになつた。
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