特集 病院機能を高める看護の専門性
看護活動を生かすシステム
原 ハツエ
1
Hatsue HARA
1
1呉共済病院看護部
pp.375-377
発行日 1987年5月1日
Published Date 1987/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209054
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医療看護の質の向上と専門性を志向して
現代の病院に求められる第一条件は,高度の医療技術とそれに対応できる人材の確保と組織の確立にあることは,多くの識者の指摘するところである.次いで建物が,患者さんや職員にとっての居住性が優れていることである.我が国の最近の病院建築で,待合室,廊下,トイレ,電話コーナー,売店,食堂など,利用者の側にたって便利で心地よい広さとデザインが重視されつつあることは,大変好ましく思う.第三に高齢化社会の到来・技術革新・情報化時代に即応できる,柔軟な管理体制を考えなくてはならない.硬直化した組織では,急速な時代変化には,到底対処できるものではない.病院の機能を高める活力となるものは,組織の見直しと人事,さらに職員教育がその源泉であると言っても過言ではない.
医療の進歩が,医師の専門性の細分化を進めた.パラメディカルもこれに対応することが診療内容を向上させることは言うまでもない.そして看護の分野においては,心臓手術,ICU,CCU,NICUから寝たきり老人の介護に至るまで,豊富な経験と各々の専門的な知識・技術をもって患者さんの傍にいることが求められている.
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