特集 病院機能を高める看護の専門性
診療科と看護の専門性
大田 すみ子
1
Sumiko OHTA
1
1北海道大学医学部附属病院副看護部
pp.372-374
発行日 1987年5月1日
Published Date 1987/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209053
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改めて専門性を臨床看護に問われて
看護が診療科から離れ独自の専門性を持ち始めて久しい期間が過ぎている.戦後の新制度の教育では,「基礎看護法」,「内科学と内科看護法」などがあった.昭和40年代に入り,「看護学総論」,「成人看護学」,「小児看護学」,「母性看護学」になった現行カリキュラムでは,看護の専門性,独自性が示され,今また看護教育制度の変革への胎動は激しい.
看護の専門性が医師の専門性と異なることは理論的に明らかにされていながらも1),さて日常の医療の現場が,理論にマッチして整理がなされ,他の医療従事者にも了解されているのかどうかというと,それはその医療現場でまちまちである.リーダーシップをとっている医師の考えによるし,また看護婦自身や看護チームの意識と能力により,自律的な行為が組織的にも個人的にも示すことができるか否かにかかっているからである.
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