ケーススタディ・人の管理
何も言わず,判断もせず,決定もしない婦長
pp.234-235
発行日 1983年3月1日
Published Date 1983/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207975
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〔事例〕
病棟の看護のレベルは,婦長,主任の看護に対する考え方や取り組み方に大きく影響される,言い換えると,その人の人間性や看護観に左右されると言っても過言ではないと思う.私は現在の体験をするまでは,婦長,主任は資質の差はあるにしても,人生の先輩であり看護の経験者なのだから,少なくとも看護については話し合って理解し合えるものと信じていたが,全くの幻想であることを思い知らされた.以下その体験を書いてみたい.
A婦長は間もなく勤続30年になり,病棟婦長になって数年になる.性格的には温厚であり,医師にはもちろん,看護婦にも大声をあげたことはない.いわゆる放任主義であり,注意したり議論したりすることがなく,"ヌカにクギ"という感じで手応えが全くないのである.
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