病院管理の工夫
診療報酬請求の実践面からの留意点
西本 健二
1
1大阪警察病院医事第一課
pp.1066-1067
発行日 1982年12月1日
Published Date 1982/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207905
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さて,皆様方も新聞紙上等でご承知の通り,一人当たりの医療費は,西高東低と言われている.同じ解釈をしながら相当の差異があるが,これは関西的に「いかに損をしないか」の探究によると思う.そして語弊があるかもしれないが,「学問的な情報」よりも「経済的な情報」を重視する現れだと思う.たまに関東の方々と懇談する機会があるが決まって,「組織的なこと」「規律的なこと」の話題に終始し,こちらの思惑とは合致しないことが多い.先日,事例研究と題して大阪医事研究会(加入病院甲表28,乙表7)でレセプトの検討会を開いた.明らかな誤りはともかく,各々保険請求事務に堪能な方々のレセプトを検討するわけであるが,同じ出題でありながら,請求点数に同一のものがないのは,いつものことながら驚くばかりであった.ちなみに,甲表病院の最高点と最低点の差は実に9,535点(平均請求点数45,825点)でそれぞれ検討の結果,最終的に2,870点の差になったのであるが,結局どれが正しいのか,誤っているのか,レセプトだけでは判別できないのが実情である.
これらは解釈の相違だけでは,片づけられないものがあり,それほど点数表の解釈は難しく,あいまいな表現になっているわけである.そこが我々の苦労するところで,実際に行われる医療を的確にレセプト化しなければならない.では本題に入ることにしよう.
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