小特集 病院臨床実習の実情と問題点
病院臨床実習の意義と実際
小酒井 望
1
1順天堂大学臨床病理学
pp.649-651
発行日 1981年8月1日
Published Date 1981/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207525
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臨床検査技師教育と私■
私が医療関係者の教育に従事したのは,まず検査技師のそれで,昭和27年からのことである.第二次大戦後,近代的病院管理が米国から導入され,その一つとして臨床検査室の中央化が取り上げられた.私の勤務していた国立東京第一病院(現国立病院医療センター)に中央検査室が設置されたのは昭和25年のことである.それまでは,「医師は自分の受け持つ患者の検査は自分でやれ」というのが医科大学における教育方針であったから,検査技師は必要なかったというわけである.しかし臨床検査の種類が増え,医師がそれらを自分で行うことが不可能になってくると,専門の技師が必要になり,それが臨床検査室の中央化と相俟って,検査技師の養成学校が必要となった.昭和27年に我が国最初の検査技師学校が創立されたが,その創立の経緯は省略するとして,その講義と実習を私どもが主として担当することになった.
米国では1920年代から技師学校が存在し,技師教育が充実していると聞いたので,米国の技師学校(schoolof medical technology)のカリキュラムを手に入れ,検討した.当時の米国の技師学校は高校卒業後の2年間,ジュニアカレジで所定の基礎科目の単位を修得し,病院検査部に附属する技師学校で満1年間,実習を主とする臨床検査の教育を受けることに定められていた.
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