グラフ
成人病医療の新しい形態を求めて—新潟市・信楽園病院
pp.9-14
発行日 1981年1月1日
Published Date 1981/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207342
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新潟駅から車で西に20分ほど行くと,日本海に面した防風林を背に風変わりな建物が目につく.社会福祉法人新潟市社会事業協会信楽園病院(320床,小川健比子氏設計)である.更に病院の裏側にまわると,各種福祉施設が視界いっぱいに取り囲んでいる.すなわち特別養護老人ホーム,軽費老人ホームA型,B型,老人福祉センター,保育園,児童センター,精薄児収容施設などで,医療と福祉の総合センターを形成している.
信楽園病院の診療内容を一般の総合病院との比較でみるとき,極めてユニークである.というのは,守備範囲を成人病に重点をおき,可能な限りの診療レベルの高さを維持しようとしていることである.患者の大半は大学病院,がんセンター,市民病院,地区開業医からの紹介患者である.したがって,慢性疾患が主体で,急性期の疾患は従である.また,外来診療は退院患者のフォローアップに的をしぼり,1日100名前後の予約患者を扱い,いわゆる一般外来患者は極めて少ない.
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