特集 病院給食の新しい動向
病院給食へのコールドチェーンの導入
下石 茂彦
1
1広島県病院協会
pp.665-668
発行日 1979年8月1日
Published Date 1979/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206932
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ここ数年来,病院給食への冷凍食品の導入が関係者に様々な評価を受け,また一部では導入の動きが高まって来ているように見受けられる.しかし,冷凍食品そのものについての歴史は,我が国では水産界に端を発し,相当な歴史をもっているが,それは第一次原料の保蔵方法として発展して来たもので,給食への導入は筆者の記憶では学校給食や事業体などの大量給食への導入がスタートであったように思われる.しかし,当時の製品は品質的に十分なものでなく,あまり良い評価は得られなかった.
その後,社会情勢の変化や,世界的な食糧事情の急変から食品流通の改善,合理化の有力な技術的方策として低温の継続,つまりコールドチェーンの中で食品を流通してゆくということに脚光があてられたと理解して良いと思われる.ところが給食施設や病院における冷凍食品の導入という問題は,食品の流通方法としてのコールドチェーンという発想とは別の問題として扱わないと,大変広範囲に及ぶことになり混乱を生じかねない.ここで与えられたテーマは,コールドチェーンという搬送方法で入手した,冷凍品(原料的な一次冷凍素材:冷凍魚,冷凍野菜など)と冷凍食品(調理加工した半調理冷凍食品・完全調理済冷凍食品)および自家冷凍という範囲で私見と体験を述べてみることにする.
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