特集 病院給食の新しい動向
事例
遅れている給食施設の近代化
浜田 秀雄
1
1健康保険鳴門病院栄養課
pp.669-671
発行日 1979年8月1日
Published Date 1979/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206933
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給食業界も全般的には近代化が進み,過去のような悪評は一掃されてきているが,病院給食は一般集団給食とは本質的に異なり,患者の病態に応じた給食をする特殊な環境にあり,業務が複雑なため改善などが遅々として進まない,その一つの原因に施設の欠陥が挙げられると思う.
病院給食の近代化が叫ばれ,機械による合理化が考えられてはきたが,思ったほど効果はあがらず,かえってマイナスになった例が多い.例えば人手を減らそうと考え,新しい機械を入れたが,人手は減らず,経費は増えたということがある.それは機械自身の欠陥による場合よりも,機械を導入するに当たって,関連の「システム」の検討を怠った場合が多い.部分は常に全体との関連によって成り立つのであって給食の体質改善には,このシステム的思考が必要であると思う.根本的な問題を検討し,作業環境の改善と作業動線の確立をすべきである.
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