グラフ
高齢化社会に向けての包括医療を目指す—名古屋市南区の大同病院を訪ねて
pp.365-370
発行日 1979年5月1日
Published Date 1979/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206847
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大同病院は名古屋市南区に広がる臨海工業地帯の一角にある.創立は昭和14年9月,かつて軍需会社として栄えた大同製鋼株式会社(現在の大同特殊鋼株式会社)の付属病院として設立され,当時は大同製鋼病院と称した.開院当初各方面からの指示がやかましかったが,敢えて診療対象を会社従業員だけにしぼらず,地域の一般住民に開放し,名古屋市南区の中核病院として地域の医療を支えてきた.すでに40年の歴史をもつこの地域では最も古い病院である.
大同製鋼の創設者の一人である下出民義氏は単に企業家であるにとどまらず,熱心な教育家でもあった.氏は企業経営で得た富は常に地域に還元すべきものという信念のもとに,この病院の開設だけでなく,東邦学園,大同工業大学などの学校をはじめ,鉄鋼関係の研究所の設立など多方面に事業を起こした人である.病院の設立に際しても多額の投資をした.このような経済基盤をもつ病院の運営を委ねられたのが当時の院長皿井進氏(現名誉院長)である.
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