グラフ
新しいシステムのオープン病院—仙台市・鶴ケ谷オープン病院を訪ねて
pp.9-14
発行日 1977年7月1日
Published Date 1977/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206264
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仙台の市街地から北東へ向けて,車で20分も行くと,10年ほど前までは雑木林にすぎなかった地域に広々とした団地群がひらけてくる.起伏の多い広大な土地に,さまざまな規模,形の団地の棟が広がり,各ブロックの中心には市民センター,小中学校,ショッピングセンター,銀行,郵便局などが集中している.これらに近く街路樹の美しい舗道の一角に,内科,小児科,産婦人科,眼科,耳鼻科,歯科などいくつかの診療所の建物がモダンな装いを競うように並んでいるのが目につく.わが国初の公設民営といわれる鶴ケ谷オープン病院は,3つのこのような診療所群に囲まれて建っている.しかしこの病院はこれら3つの診療所群のみのためのセンター病院として構想されたわけではなく,仙台市の全医師会員のためのオープン病院として,仙台市が土地と建物を提供し,その管理運営は医師会主導の公益財団法人に委ねられるという,いわば新しい型の医師会病院である.したがってこのオープン病院に対する医師の登録は任意であるが,仙台市医師会会員546名の過半数に及ぶ285名に達している.鶴ケ谷オープン病院はシステム化を志向した地域医療の拠点として,またグループ診療による医師会員相互の新しい卒後研修の場として,全国的に注目を浴びており,昨年7月のオープン以来,見学者の絶えることがないという.
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