講座 入門・診療記録管理・1
診療記録管理室開設の第一歩
栗田 静枝
1
1聖路加国際病院
pp.62-63
発行日 1979年1月1日
Published Date 1979/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206758
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はじめに
入院および外来の診療の記録を,1か所に集めて整理・分類をし,索引を作り,正しく保管するとともに,医療統計や医療評価等のための資料を作成する--これが診療記録管理の業務である.そして,これらの業務を専門に行う診療記録管理室を持つことが近代病院の運営に不可欠であるということは,今日では,病院管理者のほとんどが,一応理解をしていると思う.しかし,私がこの仕事を始めた頃は,診療記録管理は一般に知られておらず,病歴管理という概念でようやく注目を浴び始めていたのである.そして,20数年を経た今,診療記録管理という言葉も,どうにか耳新しいものではなくなってきたといえる.
この業務に対する関心が,年とともに高まっていることも周知の事実で,診療録管理学会,各地方の研究会,セミナー等が盛んに開催されるようになってきている.新設の大学病院では,コンピュータを導入したとか,最初からマイクロフィルムを使って保管をするなどと,スタートから,かなり大がかりな機械化を誇っている.
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