特集 集まれ!元気印助産師
「健やか親子相談室」を開設して
夏村 真奈巳
1
1帝京大学医学部附属市原病院
pp.25-28
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100007
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はじめに
現代社会において育児を取り巻く環境の整備は急務とされ,各市町村それぞれがその地域の特性を踏まえての検討,取り組みをしています。しかし,まだ地域における支援体制の整備は十分とは言えず,母子が施設を退院した後の間もない時期における支援は限られており,個々のさまざまな問題に対し必要とされる支援が受けられないのが現状です。妊娠期から継続的に母子の状態を把握している施設助産師に育児期についても支援を求め,助産師が直接的に対応することの必要性は多くの研究結果として報告されています。
しかし,その取り組みは医療機関側の体制として確立されにくいのが現状です。個々の施設助産師にとっては日々奮闘しつつも役割や機能面での制約も多く,その専門性は発揮されにくい状況にあると言えます。
当院でも助産師たちのなかでそれまで行なっていた個別の退院指導,電話訪問での相談だけでは限界がある,直接会ってゆっくりケアはできないのだろうか,施設助産師だからこそできる活動を自立して行ないたい,もっとお母さんと赤ちゃんを応援していきたい,そんな思いが募ってきていました。当院が平成14年度に実施した産褥期における看護研究でも,実際に施設助産師に育児期の支援を求めている声が挙がっていることがわかりました。そのニーズに応えるための窓口として,助産師による育児支援外来「健やか親子相談室」を開設するという形で実を結びました。
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