特集 末期患者の医療を考える
紹介
病院組織としての取組み—末期患者のケア
紀伊國 献三
1
1筑波大学
pp.647
発行日 1978年8月1日
Published Date 1978/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206610
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医療関係諸科学の進歩と老齢患者の増加は,近代病院にさまざまな問題を提示するが,デリケートな問題として,末期患者の増加と,そのケアの問題がある.新聞をにぎわせた医療辞退連盟や,カレン嬢の判決にもうかがえるように,近代医学発展のシンボルである病院に,深刻な対決を迫る問題である.これに対しての取組み方は問題がデリケートなだけに極めて複雑であるが,単に避けて通る対応では不十分であり,組織としての管理者の意志表示の明確化を迫るものになりつつある.
ハーバード大学の関連病院の一つであるベスイスラエル病院長のラブキン博士は,昨年日本を訪れ,日本病院管理学会,私立医大協会,ライフプランニングセンターなどで,地域での病院のモデルとしての教育病院のさまざまな新しい試みを紹介し,多くの示唆を与えてくれたが,末期患者のケアについても,組織としての一つの試みを行っているので,紹介してみたい.
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