図書紹介
—Paul Aurousseau著—「International Hospital Vade Mecum」(国際病院便覧)
姉崎 正平
1
1病院管理研究所
pp.164
発行日 1978年2月1日
Published Date 1978/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206464
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わが国の病院管理の自立へ
第2次大戦後,わが国で病院を管理するということが意識的に行われるようになってかなりの年月が経った.病院管理に関する研修,研究,それらを行うための専門機関の設置,大学における病院管理学教室の開設,病院や病院管理に関する団体の結成,学会の開催などの実績が積み重ねられてきた.それらを反映して,病院管理関係の雑誌,単行本,シリーズ,全集などの出版も充実の一途をたどっている.本誌『病院』の歩みにおける充実の跡はその典型といえる.
しかし,全般的にいって,わが国の病院(管理学)界は,とくに初期の頃,欧米,なかんずくアメリカをモデルとした考え方が支配的であった.その後も,病院管理関係者の欧米視察は年ごとに盛んになってきているが,同時に,わが国独自の病院管理の方向も打ち建てられてきた.そして,昨年の国際病院学会の東京開催は,わが国の病院(管理学)界が,欧米病院管理の吸収消化と日本的病院管理の確立の二本の足で,国際的に自立したことの総括であったといえよう.
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