附録 カレンダーの口絵
セザンヌPaul Cèzanne「花」
pp.21
発行日 1959年4月1日
Published Date 1959/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201657
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「花」はセザンヌの代表的作品の一つです。セザンヌの絵に接すると,果物などが手に取れるような感触が伝わつてきます。一口にいえば本物そつくりなのです。
静物画が独立したモチーフとして扱われるようになつたのは大体17世紀のオランダに始まるといわれています。当時のオランダは海外に雄飛し,貿易も盛んに行い,国が大いに栄えた時代です。そして貴族に代つて商人達が台頭し平民主義が謳歌されたのですが,その影響は画風にも現われ,宮延風の荘重な人物画よりも,もつと身近かな身の廻りの物とか風景に愛情の眼を注いで描写するという風潮に変つてきました。
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