民間病院の新しい試み 夜間診療
ナイター診療と銘うって
林 博
1
1野村病院診療院
pp.167-168
発行日 1978年2月1日
Published Date 1978/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206465
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当院では夜間行われている診療を「ナイター診療」と呼んでいるが,これは恐らく当院が最初で唯一だと思う.野球でいう「ナイター」をそのまま借用したものである.一般的には,病院は午前・午後の一定時間で外来診療を打ち切るものと考えられ,救急病院が救急車を受け入れたり,救急外来で急患を扱うのは例外の措置と思われている.しかし高度成長時代の古きよき時代ならともかく最近の不況・低成長時代においては,仕事を持った患者が,診療を理由に,勤務時間内に病院を訪れることは難しくなってきている.診療所や小病院の多くが夜間に及んで診療を行っていることは,その必要性を示すものと言える.しかし病院という形態をとっていて,恒常的に夜間外来を行うには困難が多い.特に要員を確保することは難しい.しかしながら病院運営上の理由だけで,受診者が自分の時間になってから夜,受診したいという希望に目を閉じてよいものだろうか.病院と診療所との役割分担はあるにしても,病院としても外来診療が必要である以上,いくらかでも患者の希望に応えようと当院では昭和38年から「ナイター」診療を開始した.
因みに,当院の規模を紹介すると,内科,外科,整形外科併設の入院約130床,外来1日約250名程度で,他に予防医学センターとして人間ドック,自動健診,集団検診に力を入れている.
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