研究と報告【投稿】
病院における検査技師と看護婦との関係
立山 正子
1
,
宮越 不二子
1
,
大里 セツ
2
,
高橋 喜美子
2
1秋田大学医学部付属看護学校
2秋田大学医学部付属看護学校病院看護部
pp.97-99
発行日 1975年4月1日
Published Date 1975/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205609
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はじめに
戦後アメリカ医学の導入に伴い,臨床面における検査技術の開発は,医療の情報化とともに将来の治療医学の主流をなす傾向になった.これに伴い臨床検査の直接担当者が必要となり,昭和33年4月23日に衛生技師法が制定された.これは昭和45年5月に一部改正されたが,この間における臨床検査の質的,量的増加は真に瞠目すべきものがあり,疾病の診断,治療は生体機能の情報を総合的に把握した結果行われるというひとつのシステム化ができあがった.したがって,かかる検査を業務とする臨床検査技師は,パラメディカルスタッフとして院内に不可欠の人的要素となり,これが官制上にも現われている現状である.
しかし,戦前は病院,診療所を問わず医師が中核となって医療を行い,診療業務補助,医療介助としての看護婦がパラメディカルの中心,いなパラメディカルそのものであるかのごとき観を呈した.最も普遍的なレントゲン技師でさえ,きわめて曖昧な検定の下にその撮影を行い,いわば医師に教え込まれ医師の代理者としてこれを行っていたので,確立した業務として認められなかった.さらには,一般検査についても主として看護婦が代行した程度で事足りる診療形態であり,医師と看護婦で医療が成り立つ観があった.すなわち看護業務の一部として臨床検査があり,はなはだしきは調剤なども看護業務であるかのごとき錯覚を誰しも疑わなかった.
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