——
病院における医師と看護婦の対人関係
金子 敏輔
1,2
1神戸医科大学
2兵庫県病院協会
pp.177-184
発行日 1957年10月15日
Published Date 1957/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910460
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
病院の人間性
病院という所は古くから最も人間性の強い場所であるといわれているが,それは病院がその機能の性格からして人間性を真に発揮する人間関係の場所であるからである。働く人々が患者を中心に医師,看護婦の医療部門を中核として管理部門,給食部門と複雑なあらゆる部門が組織体となつて動いているが,それは一つの人間的な目的をもつている。つまり早く病気を治すといった人間的な任務をもつているからである。事実,病院の目的そのものがヒエーマニスチツクHumanisticであるからである。
時代の動きと共に病院を経営者的立場において近代的管理経営をするには極めて複雑な組織体になる。大綜合病院は特にそうである。何百という人々が働いている。従つてその職場においては人間と人間との接触が多い。その接触がうまく行かないと病院サービスに響いてきて患者への医療サービスが向上しない。それは結局病院内における対人関係が円滑に行かないことである。病院をよくするには院内における勤務者がお互に尊重しあつて,よい人間関係を保つということが最も重要である。
Copyright © 1957, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.