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病院における医師と看護婦の対人関係
金子 敏輔
1,2
1神戸医科大学
2兵庫県病院協会
pp.83-94
発行日 1958年2月1日
Published Date 1958/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201318
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病院と人間関係
病院という組織経営体はその性格からして最も人間性の色彩の強い場所である。特種な目的のため勤務するもの,集つてくる患者其他の人々が交叉し人間と人間の接触は多く,つまり対人関係は密接である。しかしこの人間関係は普通の職場とは違い病院はその目的から見て最も人間性要素(Humanistic element)の含みが多い,従つて,その病院独持の人間性の現われはその中にいる病院構成人物の人間関係の集合した綜合的人間性格(Inteqrated humanistic personality)をもつものである。それはその病院特有な雰囲気や特徴を現す基礎となる,これは病院経営から見て極めて重要な問題である事はいうまでもない。
最近生産性企業において人と人との関係がその経営組織体の中で注目されてきた。つまり対人関係の好調にあるとないとであらゆる面で傾向が生ずるので科学的にその不調を堀り下げて追求して人間関係調整を試みるのである,そのような立場から生産性組織体において対人関係(Human relation)が問題視されるのは当然である。従つて病院においても最近病院管理経営の立場から管理者が経営学的に運営するあり方として病院組織という複雑機構の中で対人関係が重要視されてきた,人間性のあり方の強い病院ではより一層の掘下た追求を要するのである。
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