特集 老人医療と病院
老人患者に寄せて
土屋 照
1
1有隣病院
pp.32-33
発行日 1972年4月1日
Published Date 1972/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204624
- 有料閲覧
- 文献概要
社会的に活躍を終えた後,安らかな晩年をとだれもが願っているその中で,不幸にして余生を病院で過ごさなければならない老人の方が最近特に多く,私たちの病院でも入院患者の70%が高齢者で,老人病対策に病院あげて取り組んでいるのが現状である.生命の尊厳,老人福祉と大きく叫ばれている昨今,私たちの老人看護の過程をみつめてみた.
去る昭和42年,結核の高齢者の対策として院内の最適の敷地に暖房付2階建90床の病棟が完成され第一歩を踏み出した.老人のために建物はすべて手すりが備え付けられ,年々増加する老齢者に今はなくてはならぬ役目を果している.個室はともかく,大部屋は4人のコーナーになっており,重症度,年齢,性格,家庭状態など考慮して,ベッドの配置を定めるのであるが,長期療養のため特に女性は愁訴が多くなり,時々ベッドの移動を行なっている.サンルームは特にないが病室の南側を利用し,各々お茶を飲み交流している.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.