病院建築・13
病院における成長と変化—横浜市民病院を具体例として
守屋 秀夫
1
1芦原義信建築設計研究所
pp.97-100
発行日 1970年1月1日
Published Date 1970/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203859
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建築には,何年かの年月の経過とともに,大なり小なりの増築・改築はつきものである.われわれの設計事務所の作品をふり返ってみても,10年以上前に設計したおもな建物は,10のうち7つか8つまでがその後大規模な増築を行なっており,昔のままの姿でいるものはごく少ない.
このように,内部機能の成長と変化,それに伴う建物の増改築の問題は,なにも病院に限ってあるものではない.しかし,病院は,他の種類の建物に比較して,成長と変化が特に激しく,増築・改築の機会が多いものの1つであるように思える.事実,病院の設計を依頼されたとしても,ほとんどの場合は増築や改築であって,まったく新しく建てる機会にめぐりあうことは意外に少ないのである.そのうえ病院の増改築には,いろいろとやっかいな要素がほかの種類の建物以上に含まれていると考えられる.
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