霞ガ関だより
がん予防対策—特に子宮がん集団検診について
林 弘
1
1厚生省公衆衛生局企画課
pp.86-87
発行日 1967年6月1日
Published Date 1967/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203115
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公衆衛生の進展とともに,かつて国民死因の上位を占めていた肺炎,胃腸炎,結核などの感染性疾病が大幅に減少し,それにかわって脳卒中,がん,心臓病などの成人病が国民衛生の大問題にのしあがってきた。脳卒中は昭和26年以来第1位,がんは28年以来第2位,心臓病は33年以来第3位となり,今後当分の間不動の順位を占めるものと予測されている。
成人病の特色は,40歳前後からの働き盛りの年齢層を多く侵すので,社会に深刻な影響をおよぼすこと。本態について究明されていない点が多く,しかも徐々に無自覚のうちに進行する場合が多く,ある程度進めば完全治癒が困難であること。早期診断,早期治療には高度の技術と多額の設備を必要とすることなど。したがって,成人病の予防は困難である。
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