ホスピタルトピックス 特殊病院
精神病院給食の変化
鈴木 淳
1
1病院管理研究所
pp.91-92
発行日 1966年9月1日
Published Date 1966/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202930
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かつての精神病院は隔離収容が主であったから,給食も生存最低量を与えることに終始していた。ピネルはその実状に痛烈な批判をあびせ,給食は治療の理念の下に指導されるべきと主張したけれども,その完全な結実は戦後まで不可能であった。近着の"Inforrnation psychiatrique"40e Annèe, N°10にはフランスの精神病院給食の過去と現状が特集されているので,ごく簡単に紹介する。掲載論文は2つのジャンルに大別される。
その第1は必要栄養量の確保である。1940年から45年までのナチ占領下のフランス精神病院で,約1万の入院患者が餓死した。死に至らないまでも,必要熱量の欠乏から,結核などの合併消耗性疾患が増悪し,消化障害を惹起した例はごくありふれた日常の出来事であった。
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