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編集主幹ノート
吉田 幸雄
pp.96
発行日 1966年9月1日
Published Date 1966/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202933
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- 文献概要
「大学病院」を特集しました。現在医学教育問題はようやく医大の中で真剣に議論されるようになり,あわせて大学病院のあり方についてもほうはいと合理化が叫ばれるようになってきました。戦後本誌をはじめ各方面の努力でわが国の病院も遅々たる歩みとはいいながら近代化の方向へ進んできましたが,その影響が保守的な大学病院内にもしだいに現われてくるようになってきたことは幸いといわねばならぬでしょう。本来大学病院は病院のあり方としても師表的であるべきで,大学病院こそ他の病院をリードすべき役割を持たねばならなかったのですが,教育と研究のための病院であるからまったく異質のものであるように観念づけられておりました。しかし医師はもっとも模範的病院の環境で教育されるべきであるでしょう。患者のため,社会のために模範的な病院であって,しかもこれが教育と研究に活用されることこそ大学病院のあり方であるはずです。
巻頭に,永沢日大医学部長と篠田岩手医大学長の玉稿を頂けたことはこの企画の大半の目的を達しえたと申せましょう。ご多忙な両先生のご協力に厚く御礼を申し上げます。読者もご承知のごとく,永沢教授は日大病院管理学教室初代の教授であり,篠田先生は東北大学病院管理学教室の生みの親であります。両先生は今や,永年の抱いておられた抱負をいよいよわが医学教育界に大きく発言しうる枢要の職につかれておられるので心強り限りと申せましょう。
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