特集 病院職員の募集と採用
職員採用と心理テスト
鈴木 淳
1,2
1病院管理研究所
2国立下総療養所
pp.21-25
発行日 1966年7月1日
Published Date 1966/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202883
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1.はじめに
同一労働条件の下で,優秀者は劣等者の3.5倍の生産量をあげる(アトキンスの報告)。どの職場でも2倍の差はめずらしくない。適任者は仕事を早く覚え,訓練が容易で,能率が上がり,楽しく働くのでモラールが向上し,生産性がまし,作業に興味をもつから監督は少なくてすみ,事故も少ないので損失は減り,これらの結果,生産コストは減少する。
理想的な人物像を画いて,志願者を振るい分けし,"優秀者"だけをごぼうぬきにするのが旧来の入社試験であった。だが,入社後仕事のことで悩み,周囲との協調がうまくなく,上司,同僚,部下に迷惑を及ぼすケースは少なくない。入社試験で"優秀者"のみ選抜したはずの英国の某企業体では全従業員の10%が精神神経医療を必要とする結果がみられたという。
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