特集 病院職員の募集と採用
病院職員の前歴照会の仕方
落合 勝一郎
1
1聖路加国際病院
pp.26-32
発行日 1966年7月1日
Published Date 1966/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202884
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Iまえがき
一般に,病院職員の採否の決定にあたっては,慎重に,いくつかのテストの段階が行なわれる。第1は,戸籍謄本,最終卒業学校長の推せん書,最終学校の成績証明書などによる書類審査の段階である。そのほか,本人に直接記入させる身上調書を参考とする事例もみられる。第2の段階では学科テスト,知能テスト,および職業適性テストなどがある。聖ルカに例をとると,大学卒業者に対しては,論文,英文和訳,和文英訳の学科テストを行ない,必要に応じて英会話,英文タイプライターのテストを行なう場合もある。高校卒業者に対しては,作文,国語のほか,専門家に委嘱して職業適性検査を行ない,さらに実務的な職業適性テストとして珠算,簿記,和文タイプの科目を行なう。電話オペレーターを希望する者には,発声,アクセントなどのテストがある。以上の段階で,本人が直接書かねばならない身上調書,論文,作文,答案などは,本人のペン字のうまさまずさ,および本人の考え方,思想などを判別する資料となる。第3の段階として考えられるものに面接テストがある。この面接テストは,上に述べた第1,第2の段階では,捕捉できないものをスクリーニングし得る効果がある。すなわち,(1)容姿,(2)服装,(3)態度,(4)話し方,(5)就職希望の動機,(6)家庭事情,(7)純粋度,(8)考え方などを観察できる点である。
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