特集 病院給食管理の諸問題
病院給食の動向
一般食の給食管理
杉江 康子
1
1東京都立府中病院
pp.45-48
発行日 1962年9月1日
Published Date 1962/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201975
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病院給食の目的は,治療の補助として大きい役目を持っており,患者食事は治療と相まってそれぞれ患者個人の状態に応じて出されなければならないので,病院給食はすべてが治療食事と考えられる性質のものである。しかし,数多くの給食を行なわねばならないので,食事が治療に直結響くものを特別食,それ以外を一般食として区分し,給食の運営が行なわれている。したがって病院給食は個人的に食習慣や嗜好も違い,要求量も異なり,病状も異なる患者を,社会保険給食の基準と食糧費の枠の中で一律に給食してゆかなければならないところに矛盾があって,給食管理のむずかしさがある。しかし,この矛盾の中で,給食本来の目的--診療補助部門として治療効果を上げる--に向かって努力されている。
最近医療が進歩し,各病院とも治療食の増加が目立ち,当院のような結核療養所でも,老人結核の増加,ひいては成人病,治療食の増加という結果となって現われてきており,給食数に占める治療食の比率は次第に高くなってゆく傾向である。しかし,まだ大部分を占める一般食の給食管理がよりよく行なわれてゆくことは給食運営上大切であり,ここに一般給食の温食,食器,盛付,配膳,残食の問題について考えてみたい。
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