特集 公衆栄養のストラテジー
学校給食を基にした栄養(食)教育
吉田 真理子
1
Mariko YOSHIDA
1
1神奈川県横浜市立二谷小学校
pp.96-104
発行日 1983年2月15日
Published Date 1983/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206652
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私が,学校給食にたずさわって20数年になる.この間にどんな変化があっただろうか.最初の頃の給食では,ホワイトシチュー類,ケチャップ味のもの,サラダではドレッシングのものの残りが多かった.しかし,高度成長の波にのってアメリカナイズされた食形態が定着するにつれ,醤油味の和風的煮物類や,味噌などを使った料理などの残りが目立つようになり,肉食,食べやすいもの(やわらかいものなど)が好みになって来ると,魚料理,生野菜の残りが著しく増加して来たのである.
また,料理の好みだけでなく,子どもらしい生活が失われていることと比例して,食欲の減退傾向も見られ,食事に対する関心度や楽しむ・喜ぶ・味わうなどという「人間として生きる」という基盤まで失われそうな現実が生じて来ている.このような社会的変化は,私の指導・実践の視点を大きく変えた.
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