特集 温食給食
温食給食の問題点
宮川 哲子
1
1虎の門病院栄養部
pp.23-26
発行日 1970年10月1日
Published Date 1970/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204113
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はじめに
食物のおいしさは,食物それぞれの適温で供与されてはじめて発揮できるのである.すなわち温かいものは温かいうちに,冷たいものは冷たくして食してこそ,満足する味わいをもつのであろう.いくら材料を吟味し,調理の腕をふるって上等な料理ができても,こうした適温配食がなされなければ,材料も腕も死んでしまうといってもよいほどたいせつな要素である.
料理屋が1品,1品,でき上がったばかりの,あつあつのところを出すのも,そうした意味があるからであり,家庭の食事がどんなに貧弱な材料であったにしても,またあまり変わりばえのしないもので同じものが続いても,あきずに食べられるのは,食卓の雰囲気と,この温食のためであるといっても過言ではないと思う.
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