--------------------
病室の窓—食器受け渡し窓口の工夫
阿久津 慎
1
1名鉄病院
pp.809-811
発行日 1961年11月1日
Published Date 1961/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201852
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1)はじめに
病院ともなれば患者に対して給食をするのが本然の姿であるので,まづ,厨房から病室への配膳のことを考える。そして集膳に関しては,特別の考慮を払わず,ただ単に配膳の逆をすれば集膳ができるものと思い勝ちである。
配膳された食事を,集膳時刻までに時間を合わせて食べ終わつて,集膳車を待つということは,患者にとつては,なかなかむずかしい。集膳時刻より早く食べ終わつて,その膳のしまつに困つたり,食欲がなくて,食べ渋つているうちに,集膳時刻に間に合わなかつたりする。このような人たちは,自分の食べた膳のしまつに困り,病院の廊下に出したり,ベツドの下に放置したりする。これは見た目に不快な感を与へ,不衛生的で,不潔な感を抱かせるものであるが,患者にとつても食べ荒したものを,いつまでも自分の周囲に置くことは,決して気持のよいものでなく,食欲の出ない患者などには,ますます食欲不振にさせる原因の一つにもなる。何んとかならないものかと,患者からの訴をしばしばきくようになつた。以上が次のごとき試みをするようになつたわけである。
Copyright © 1961, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.