特集 病院給食
食器洗滌について
鈴木 清二
1
,
赤塚 郁子
1
,
益子 久子
1
1国立村山療養所
pp.259-264
発行日 1961年4月1日
Published Date 1961/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201783
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肺結核の治療は化学療法および外科療法の発展により業務内容も次第に変つてきた。これにともなつて給食のあり方も当然のことながら前進の傾向を示してきた。しかし栄養の進歩もさることながら,1回たりとも欠くことの出来ない給食の仕事にとつて,その時に使用される食器の問題は一体どのように処理され,どのように管理されているであろうか。伝染病及び食中毒に対しては関心の強い人々も,その重大な誘因の一つともなろう食器の運命については案外無関心のようである。この点からしても700余ベッドをもつ療養所にとつて食器の管理に対し改めて再認識する必要があろう。食器処理の良否は見た目にきれい,きたないという問題ばかりでなく,時によつては今申し上げたように伝染病発生にも関係があるので決して軽視することは出来ない。しかし患者食器の洗滌については余り検討されず,只漫然と行われている傾向にある。一口に食器洗滌といつても,機械洗滌や手洗洗滌があり,食器の種類,洗剤,消毒の問題等々があるが今回は当療養所において使用しているアルマイト食器(口径×深,飯丼6.5cm×15cm,汁わん6cm×12.5cm,皿4.5cm×17cm)の手洗い洗滌について検討してみたいと思う。
当療養所において行われている洗滌方法を簡単に説明すると,洗滌液の温度は約36℃で,洗剤を使用するときは2lの微温湯に中性洗剤5gr(ライポンF)の割合に入れて洗滌している。
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