私の病院の試み
新しい理論に基く献立立案の方法
安田 幸男
1
,
森永 千帆子
1
1樋口胃腸病院
pp.993-1002
発行日 1958年12月1日
Published Date 1958/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201450
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献立立案方法の現状
給食業務は病院に於いては大きな消費部門でありますから此の合理化に対しては積極的な努力が払われねばなりません。此の為には組織又は施設の合理化による労働力或は燃料其の他消粍費の節約もありますが何んと云つても給食材料が支出の大部分を占めて居りますから材料の合理的使用と真剣に取り組む事が必要であります。此の為には献立の立案と云う事が非常に重要視される事になります。献立立案の巧拙は直接栄養,嗜好,経費に反映しますから若し献立が不合理に立案されて居れば他の事項が如何に優れて居ても給食業務の円滑な運営を望む事は到底出来ません。
此の様に重要な献立が従来どの様な方法で立案されて来たかを考える時不充分な点が甚だ多いと云う事が見出されます。即ち今までは或程度の食品群別の制約があるとしても個々の食品の選択となれば全く五里霧中であり在来の献立又は調理を参考にして一部食品の入替や分量を変更し調理名,材料及び其の使用量を予じめ決定して一応仮の献立を作成し此れを与えられた栄養価,価格に適合する様修正すると云う方法であり此の様なやり方で出来上つた献立は栄養価,価格等は成程其の基準にかなつて居りますが個々の材料が適正に且つ最も効果的に選択されて居るかどうか或は同じ価格でもつと栄養価の高いものが供給出来ないかどうか等の事が充分検討されて居らず,又其の方法もありませんでした。
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