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給食
山田 芳一
1
,
小仲 かほる
1
1国立大阪病院庶務課
pp.816-818
発行日 1958年10月1日
Published Date 1958/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201421
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給食は献立に始り残飯残菜によつてその効果が確認されるものである。栄養士の作製した献立により購買係が材料を発注し,納入された材料は検收の上,調理士(栄養士)により調理され,盛膳され,看護婦によつて配膳され,喫食後の状況は残飯調査として給食部に報告される。これは私達の病院に於ける給食の流れである。何の変哲もない日々の流れではあるが,その中に一貫した完全喫食と云う一本の筋金を通そうとしている。病院に於ける給食はそれ自体が治療であり,或いは治療に叶つたものでなければならない。病院給食の対象とするものはいずれも病人である。病人というものは病気そのものや病気から生ずる苦悩,不安等から食欲が減退したり,時としては全く食思の動かない場合すら生ずることがある。加うるに病気になると健康な時より好き嫌いが多くなるのに反し病院給食では予算や人員,設備等により給食内容は元より調理方法に至る迄制約され患者の要求を満すことが出来ない場合が多い。この様な悪条件を重ね重ねて求める和が標準給食であるという処に給食業務に携る者の人知れぬ苦労がある。(この苦しみが又面白味でもあるのではあるが。)ここに報告する当院の給食は別に目新しいものではない。しかし給食業務は何れの場合に於てもそれが完全喫食に通じているという処にこの報告の意義があると信ずるものである。
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