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給食
三宅 実
pp.309
発行日 1960年4月1日
Published Date 1960/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201648
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病院における食器消毒の動向
病院給食管理上,患者食器の消毒の問題は大きな分野を占めているにかかわらず,その解決が行われていない。最近また新しくこの問題が論及されて来たので,その動向を眺めてみよう。
病院給食の目標は,患者に給与した食事を全部おいしく食べてもらうことである。しかし現実にはある程度残飯が生じる。その原因を追及して行くと,献立・調理技術と共に,使用食器の種類が問題となつた。アルマイトの凹凸の多い食器では,食慾の起らないのは当然である。そこで食器の吟味が行われ,昭和28年に国立病院では食器の共同研究を行い,その結論として硬質磁器又はO・S・ライトが良いと発表し,4年計画で食器の更新を行つた。この研究の途上,合成樹脂・メラニン等の食器が採り挙げられたが,煮沸消毒により破損されるところから,昭和29年度共同研究の課題として「食器・食缶の消毒に関する研究」が採り挙げられ,多くの国立病院に,研究費が配布され患者食器の消毒に関する研究が行われた。
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