連載 医療計画・地域医療ビジョンとこれからの病院マネジメント・6【最終回】
医療介護情報の可視化と病院マネジメント
松田 晋哉
1
1産業医科大学 医学部 公衆衛生学教室
pp.977-982
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200058
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社会の高齢化の進行は後期高齢者の増大を意味する.連載第2回で大分県北部医療圏の例で示したように,後期高齢者の増加に伴って肺炎,骨折,脳血管障害の入院患者が増加する1).しかしながら,この分析は第一主傷病のみを用いて分析した結果であり,実際の後期高齢者の場合,医療ニーズは複合的である.すなわち,上記の傷病は相互に関連しながら顕在化し,そして認知症を合併している場合も少なくない,さらに,こうした高齢者は介護のニーズも持っており,したがって医療介護の両面から総合的に考える必要がある.
おそらく地域の医療介護関係者はこうした認識をすでに持っていると思うが,具体的な数字が示されていないために,その対策は進んでいない.厚生労働省は地域包括ケアの実現を今後10年間の最も重要な政策課題として位置づけていると考えられる.その実現のためには医療ニーズ・介護ニーズの高い高齢者が,できうる限り在宅で生活できることを支えるためのサービス提供体制を実現することが求められる.
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