特集 病院におけるIT化の新局面
病院機能の可視化と広報
楠岡 英雄
1
1独立行政法人国立病院機構大阪医療センター
pp.999-1003
発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101073
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これまで病院は,医療法上,広告規制があること等により,その病院の持つ特徴や機能を社会に積極的に広報することは少なかったと思われる.医療者間においては,病診連携・病病連携のために,早くから周辺医療機関に診療内容を案内するなどの広報活動を行ってきていたが,広く一般市民に向けての広報活動は限られていたと言える.しかし現在,患者やその家族が病院の診療実績に関する情報を求め,それを吟味して医療機関を選択する時代となり,また,第5次医療法改正では,患者等への診療情報の提供推進が謳われ,都道府県による情報収集・情報提供等のシステム化や広告規制の見直しが行われている.さらに,患者からの選択だけでなく,医師や看護師の確保においても,当該病院の機能を外部に広報することが重要になっている.特に国立病院機構では,診療,教育・研修,臨床研究,情報発信を4つの柱としており,情報発信についても力を注いでいる.
このような状況の中で,病院がその機能を広く世間にアピールするためには,これまでのような紙媒体での広報には限界があり,ITを利用せざるを得ない.また,IT利用の1つとなるホームページ(以下,HP)については,利用者が自発的にアクセスしない限り情報を獲得できないことから,医療法上の広告には当たらないとされている.したがって,HPでは広告媒体には載せることのできない内容についても広報できる利点がある.
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