特集 医療の本質を捉える
巻頭言
河北 博文
pp.13
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102032
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医療はいつの時代,どこの社会でも人間の生活に必要とされてきた.医療そのものにも時代や地域によって異なった文化がある.診療の場としての病院という組織にもそれぞれ文化がある.また同時に,医療は検証できるものでなければならず,そのためには記録し,その情報を活用することによって確立される科学性が求められる.
ところが,今日,医療に関して語られることの多くは医療制度にかかわるものである.政治的思惑と財政からの拘束,さらには産業としての可能性などが議論の多くを占めている.一方では,人類の歴史を通して探求されてきた“不老不死”があたかも可能であるかのように,医療を利用する側の期待は無限に近い.
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