特集 変貌するか医療法人
巻頭言
河北 博文
pp.813
発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102019
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わが国において病院の開設主体は国から個人まで20 数種類あると言われている.9,200 を超える病院の中でも最も多数を占める開設主体が医療法人である.医療法による医療法人は,持分のある社団と寄付行為による財団,そして最近,特別医療法人が加えられた.さらに,租税特別措置法に定められた特定医療法人もある.
昭和25 年の医療法人制度設立時には旧厚生省が中心となり医業を主たる事業とする法人のあり方を議論し,医療の持つ公共の利益のためにという社会性を重視し,それを開設主体である医療法人の性格とした.しかし一方,旧大蔵省を中心として,当時,民法上の公益法人による事業の課税問題が検討されていて,医療そのものが営利事業という位置づけがなされていた.言い換えれば,今日の医療法人の矛盾の端はこの二つの違い,開設主体そのものの性格とその組織が行う事業の性格という異なったものを同一に扱ったことに発している.
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