連載 より良い高齢者終末期ケア体制の構築に向けて・10
英国の高齢者終末期ケアの動向③―「終末期ケア戦略」の概要(下)
岡村 世里奈
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1国際医療福祉大学大学院医療経営管理分野
pp.797-799
発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101800
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前回紹介したとおり,2008年に発表された英国の「終末期ケア戦略(End of Life Care Strategy)」では,年齢や疾患の種類,ケアの提供場所等にかかわらず,すべての終末期患者に対して良質な終末期ケアを提供するため,「国民の意識改革」や「終末期ケアパスの導入」「医療職の教育・訓練プログラムの見直し」など様々な行動計画が策定された.また,
終末期ケア戦略では,これ以外にも,終末期ケアを提供する場所として,「急性期病院」「地域(在宅)」「ケア・ホーム,シェルター/エクストラ・ケアホーム」「ホスピス」「地域病院」「救急サービス」「刑務所」「ホームレスのための宿舎」の8か所を挙げ,それぞれの場所を対象とした行動計画を策定している.そこで今回は,この場所別行動計画のうち高齢者の主たる死亡場所となっている「急性期病院」「地域(住宅)」「ケア・ホーム等」の3つについて,英国ではどのようにその終末期ケアを向上させようとしているのか,その行動計画の内容について紹介していきたいと思う.
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