連載 より良い高齢者終末期ケア体制の構築に向けて・2
米国の高齢者終末期ケアの動向①―メディケア・ホスピス給付の概要
岡村 世里奈
1
1国際医療福祉大学大学院医療経営管理分野
pp.138-142
発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101636
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前回述べたように,現在,多くの欧米諸国では,「Cure(治療)」を中心とした医療システムから「Palliative(緩和ケア)」の概念を組み入れた医療システムへ移行を図り,また,それと同時に,そのために必要な法整備や医療関係者の教育等を進めていくことによって,より良い高齢者終末期ケア体制を構築しようとしている.そこで,今回からはこれらの諸外国の取り組みについて具体的に見ていこうと思う.
最初に取り上げるのは米国である(本連載2~5回予定).図1は,米国の65歳以上の高齢者の死亡場所の割合の推移を示したものである.この図からもわかるとおり,米国では,病院で死亡する高齢者の数が減少する傾向にあり,その一方で,ナーシングホームや高齢者住宅,在宅等で死亡する高齢者の数が徐々に高くなってきている.
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