連載 医療機関の再建・5【最終回】
法的整理とは(下)―医療機関と民事再生手続の親和性
片山 卓朗
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1片山・田中法律事務所
pp.800-801
発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101801
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前号に引き続き,医療機関の民事再生申立についての質問に答えます.
■民事再生と医療機関の再建
前号では民事再生法の概要と手続の流れについて解説しましたが,医療機関を再建する場合,民事再生は極めて有効な方法です.民事再生は,裁判所の監督下における手続であり,債権者の多数決によって負債を大幅にカットすることができる手続です.強力な手続であって,再建にとって大きなプラス面をもつ反面,大きなマイナス面をも併せもっています.しかし,医療機関以外の一般営利企業と医療機関とを比較した場合,医療機関は,民事再生を利用することのマイナス面が少ないのです.今回は,どのような理由でマイナス面が少ないのかという点に重点をおいて解説します.
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