連載 より良い高齢者終末期ケア体制の構築に向けて・1【新連載】
欧米諸国における高齢者終末期ケアの動向
岡村 世里奈
1
1国際医療福祉大学大学院医療経営管理分野
pp.44-47
発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101616
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近年,わが国では,高齢者に対する終末期ケアのあり方が重要な課題となっているが,これは決して日本だけの問題ではない.他の多くの先進諸国においても,日本と同様,人口の高齢化に伴う死亡者数の増加や,死亡原因となる疾患の多様化,終末期医療に対する国民意識の変化等を背景として,どのように効率的で質の高い終末期ケアを提供するかが重要な課題の1つとなっている.そして,日本では,その重要性が強く認識されながらも,必ずしも明確な施策や方向性が打ち出されず,足踏み状態が続いているのに対して,近年,欧米を中心とした先進国の多くでは,効率的で質の高い終末期ケアを提供していくために,既存制度の見直しや新たな法制度の整備が急ピッチで進められている.
そこで,本連載では,これらの取り組みについて詳しく紹介してゆく.第1回目の今回は,欧米諸国において現在,高齢者に対する終末期ケア体制の整備が急速に進んでいる理由とその方向性について紹介していきたいと思う.
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