特集 長期療養ケアにおける看護の役割
急性期病院から長期療養病院・施設にケアをつなぐ―退院支援看護師の立場から
柳澤 愛子
1,2
1前・東京大学医学部附属病院 地域医療連携部
2国際医療福祉大学 看護生涯学習センター
キーワード:
急性期病院からの転院
,
施設入所支援
,
転院困難な要因
,
患者・家族への説明と納得
,
円滑な連携
Keyword:
急性期病院からの転院
,
施設入所支援
,
転院困難な要因
,
患者・家族への説明と納得
,
円滑な連携
pp.349-354
発行日 2010年5月1日
Published Date 2010/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101687
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医療制度改革(2006年度)により医療機能の分化・連携の推進による切れ目のない医療を提供することが掲げられた.このことから入院のみで医療は完結せず,退院後のケアが必要になり,在宅または次なる病院・施設において継続して,医療・看護・介護を提供する重要性が増してきた.東京大学病院でも在院日数の短縮に向かって,病院職員全体に医療連携の円滑な運用の必要性が浸透し,成果が上がってきたと言える(図1).
東京大学病院地域医療連携部は,退院支援を行う部として,医療社会福祉部という名称で1997年4月に設置された.筆者は,在宅療養のコーディネートを行う退院支援看護師として開設当初から関わってきた.多職種の専任スタッフ(専任医師,看護師・MSW)が全入院患者を対象に退院支援を行い,患者・家族が安心し満足できる早期退院が可能になった.しかし当病院においても退院後の受け皿を確保し,切れ目のないケアを提供することが,実際には困難を有しているのが実情である.なぜなら急性期病院からの転院・転所先として受け入れてもらえるところがことのほか少ないのが現実である.
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